うつ病等メンタル不調社員への対応書式の見本一覧【弁護士解説】
近年、職場におけるメンタルヘルス対策が重要視されています。
メンタルヘルスとは、精神面における健康のことを言います。
職場におけるメンタルヘルス問題は、当該問題を抱えた従業員の生産性を低下させるだけでなく、これに対応する周囲の従業員の負担の増加という事態を招くおそれがあります。
また、その従業員が休職した場合は会社の経済的な負担が発生することも予想されます。
そのため、職場におけるメンタルヘルス対策は急務といえます。
メンタルヘルス問題については、うつ病等の情報が個人情報に該当する可能性が高いため、その取り扱いに注意しなければなりません。
テンプレートのダウンロード
ここでは、メンタルヘルスにまつわる書式を紹介させていただきます。
デイライト法律事務所の労働事件チームは、企業側専門の労務弁護士として、多くの企業や社労士の方からご相談が寄せられています。
労務管理の基本的な書式集の他、労働組合対応、問題社員対応、ハラスメント関連の書式集なども整備しており、労務書式集としては全国最大級のものであると自負しております。
これらはすべて無料でダウンロードが可能ですので、ぜひご活用ください。
ただし、書式の使用は、弁護士が使用する場合、又は、企業の方が自社において使用する場合のみとさせていただきます。
その他の場合、非弁行為(弁護士法違反)等、法令に違反する可能性があるため使用は認めておりません。
なお、書式はあくまでサンプルです。
個々のケースによって、最適な書式の内容は異なりますので、より詳しくは専門家にご相談ください。
ご相談の流れはこちらから。
メンタルヘルスについては、書式以外にも様々な対策が必要となります。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
※書式については、その適法性等を保証するものではありません。
病気治療情報取得の同意書
本様式は、メンタルヘルス不調者の病気治療の情報を医療機関から取得する際に使用する同意書です。
メンタルヘルスに関する情報は、個人情報として、法的保護の対象となります。
個人情報保護法では、使用者が個人情報取扱事業者に該当する場合、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、原則として、速やかに、その利用目的を本人に通知し、又は公表しなければなりません。
本様式は、後々のトラブル回避のために、メンタル不調者本人から病気治療の情報取得について、利用目的をも含めて、同意を得るものです。
また、メンタルヘルス対策について詳しくはこちらをご覧ください。
病気治療情報の第三者提供に関する同意書
本様式は、メンタルヘルス不調者の病気治療の情報を会社が指定する医師に対して提供する際に使用する同意書です。
メンタルヘルスに関する情報は、個人情報として、法的保護の対象となります。
個人情報保護法では、使用者が個人情報取扱事業者に該当する場合、あらかじめ本人の同意を得ずにその個人情報を第三者に提供することを禁じています。
しかし、産業医などの意見を聴く必要がある場合も想定されます。
そこで、本様式は、後々のトラブル回避のために、メンタル不調者本人から病気治療の第三者への情報提供について、同意を得るものです。
また、メンタルヘルス対策について詳しくはこちらをご覧ください。
出勤を促す書面(第1段階)
本様式は、重度の精神疾患(私病)を罹患した従業員が長期間にわたって無断欠勤を行っている場合に差し出す文書です。
無断欠勤の場合、就業規則の解雇事由に該当することが多いのですが、だからといって、予告無しでの即解雇は問題があります。
すなわち、解雇権の濫用に該当し、解雇が無効となる可能性があります。
そこで、まず、第1段階として、出勤をできるだけ促す書面を差し出すべきです。
なお、本様式は、電子内容証明郵便で発出することを想定とした体裁(ページ設定)にしています。
また、メンタルヘルス対策について詳しくはこちらをご覧ください。
出勤を促す書面(第2段階)
本様式は、重度の精神疾患(私病)を罹患した従業員が長期間にわたって無断欠勤を行っている場合に差し出す文書です。
上記書面を送付しても、従業員が出勤しないなどのとき、第2段階として送付するものです。
第1段階よりも強く出勤を求める内容にしています。また、万一出勤しない場合は解雇することを予告しています。
なお、本様式は、電子内容証明郵便で発出することを想定とした体裁(ページ設定)にしています。
また、メンタルヘルス対策について詳しくはこちらをご覧ください。
以上、メンタルヘルス問題に対応する際に使用する、同意書、従業員への書面をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
人事上の問題は会社側に大きなリスクをもたらす可能性があります。
このホームページでご紹介している情報が企業や弁護士の皆さまのお役に立てれば幸甚です。