なぜ労働問題は弁護士に相談すべきか?弁護士選びの重要性
目次
労働問題を弁護士に相談したほうがいいケースとは?
労働問題に関しては、弁護士に相談した方がいいと思われるケースはとても多く、多くのケースが当てはまります。
具体例をあげると、以下の8つのケースとなります。
- ① 解雇問題
- ② 残業代請求への対応
- ③ ユニオン・労働組合対応
- ④ 問題社員・モンスター社員対応
- ⑤ ハラスメント対応
- ⑥ メンタルヘルス対応
- ⑦ 労基署対応
- ⑧ その他労務管理
①解雇・雇用に関する問題
従業員の解雇は、法律上、簡単には認められていません。
また、契約社員の雇い止めも法律上無効となる可能性があります。
労働問題に詳しい弁護士であれば、どのような場合に解雇や雇い止めが認められるかについて、助言を与えてくれるでしょう。
②残業代請求への対応
残業代請求が認められるか否かについて、適切に判断するためには、労働関連法令や裁判例に対する深い理解と経験が必要となります。
労働専門の弁護士であれば、残業代請求の可否について、見通しを説明してくれるでしょう。
③ユニオン・労働組合対応
ユニオン・労働組合からの要求事項に応じなければならないか否かについて、適切に判断するためには、労働組合法や関連する判例についての専門知識が必要となります。
労働専門の弁護士であれば、ユニオン・労働組合からの要求事項の妥当性や団体交渉への対応方法について、的確な助言をしてくれるでしょう。
④問題社員・モンスター社員対応
会社にとって従業員は大切な財産です。
しかしながら、会社にとって、マイナスとなる言動を行う従業員が存在するのも事実です。
また、いくら指導しても、同じような言動を繰り返したり、業務命令に従わない、いわゆる「モンスター社員」もいます。
労働専門の弁護士であれば、問題社員やモンスター社員への的確な対応方法について、的確な助言をしてくれるでしょう。
⑤ハラスメント対応
企業は近時増加するハラスメント(セクハラ・パワハラなど)に対する対策を講じる必要があります。
ハラスメント対策には、弁護士を活用することが望ましいといえます。
労働専門の法律事務所の場合、ハラスメント防止のための助言だけでなく、相談窓口の設置や社内研修を引き受けてくれるところもあるので活用しましょう。
⑥メンタルヘルス対応
職場におけるメンタルヘルス問題は、当該従業員の健康だけでなく、会社に様々な不利益を与えることが懸念されます。
労働専門の弁護士であれば、メンタルヘルス問題の防止策やメンタルヘルス問題を抱える従業員への適切な対応方法等について助言してくれるでしょう。
⑦労基署対応
会社が労基署から是正勧告を受け、この是正勧告に従って是正しない場合、書類送検となり、罰せられる可能性もありますので注意が必要です。
また、是正勧告の内容によっては、会社に多大なコストが突然発生する場合があり、専門的な見地から早急な対処が必要となります。
労働専門の弁護士であれば、是正勧告を予防する方法や是正勧告を受けたときの対応方法について助言してくれるでしょう。
⑧その他労務管理
上記でご紹介したのは一例です。
労働問題に関して、少しでも不安なこと、疑問に感じることがあれば弁護士に相談されると安心できるでしょう。
労働問題に関して、正しいスタンスをもつ弁護士であれば、相談者の不安や悩みを感じ取り、打開策を真剣に考えてくれると思います。
ぜひ弁護士に相談されてみてください。
労働問題を弁護士に相談するメリット
労働問題の相談を弁護士にするメリットとしては、以下のものがあげられます。
メリット① 労働問題にかかわる正しい法律知識の助言を受けられる
労働問題の法律相談ができる場所は数多く存在します。
士業には、弁護士の他に、行政書士、司法書士、税理士、社会保険労務士なども存在しており、どこに相談をすればいいのか迷われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし結論として、労働問題に関してお悩みの方は、弁護士へ相談されることを強くお勧めします。
なぜならば、労働問題を専門に扱う弁護士は、労務に関する法令や判例に精通しており、的確な助言ができる可能性が高いと考えられるからです。
また、そもそも、法律上、法律相談が可能なのは弁護士に限られています。
弁護士以外の者が法律相談に対応すると、非弁行為といって弁護士法違反となる可能性があります(72条)。
ただし、例外もあります。
例えば、社会保険労務士の場合、労働問題に関して相談を受け、指導することが認められていますが、このように法律が特別に認めた場合でなければ、弁護士以外の者が業務上、法律相談を受けることはできません。
法律が弁護士以外の者の法律事務を原則として禁止しているのは、相談者に間違った助言をしてしまったり、詐欺的な行為が横行するおそれがあるからです。
下表は、弁護士とその他士業との対応可能範囲の違いに関してまとめたものです。
業務内容 | 弁護士 | 社労士 | 行政書士 | 司法書士 | 税理士 |
---|---|---|---|---|---|
法律相談 | ◯ | 労働問題は可能 | × | △ | × |
相手との交渉の代理 | ◯ | × | × | △ | × |
裁判対応 | ◯ | × | × | △ | × |
注2:司法書士の中で、法務大臣の認定を受けることができた場合、例外的に140万円以下の金銭請求ができます。労働問題では、残業代等の請求において、認定司法書士が代理人となれる可能性があります。
メリット② 全面的な窓口となって相手に対応してくれる
通常、依頼者は相手と交渉することにストレスを感じます。
特に、相手に弁護士がついていたり、相手が問題社員やユニオンの場合、その傾向が強くなります。
上表のとおり、弁護士には「代理権」が認められているため、弁護士は、依頼者に代わって、直接相手と交渉することができます。
弁護士に代理人となってもらうことで、依頼者ご本人は相手と直接的に接触する必要がなくなるため、精神的なご負担が減少すると考えられます。
また、弁護士は普段、交渉を業務としており、いわばプロフェッショナルです。
その点でも、依頼者にとって心強い味方と言えるでしょう。
メリット③ 交渉から裁判まで幅広く対応できる
労働紛争の中には、交渉での解決ができずに裁判に移行するものもあります。
弁護士にご依頼されていれば、交渉から裁判まで幅広く対応できるので、途中で専門家を変える必要がありません。
弁護士に相談するデメリットは?
弁護士に相談するデメリットとしては、法律相談料と相談するための時間や労力が考えられます。
しかし、労働問題を専門とする弁護士の中には、初回の法律相談料を無料としている場合があります。
もし、費用面をご心配されるのであれば、相談無料の対応をしてくれる事務所にまず相談されると良いでしょう。
また、労働問題は会社にとっても、従業員にとっても、大きな影響を及ぼしかねない重大な事案です。
弁護士に相談することで、解決できる可能性があるのであれば、時間を割いてその事務所に行ってみる価値があるのではないでしょうか。
メリット | デメリット |
---|---|
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労働問題の弁護士費用はいくら?
労働問題の弁護士費用とは、労働問題に関する様々な弁護士の活動に対して支払う報酬や実費等の総称をいいます。
弁護士費用を大別すると、下表のとおりとなります。
項目 | 内容 |
---|---|
着手金 | 依頼時に支払う金銭 |
報酬金 | 終了時に出来高に応じて支払う金銭 |
実費 | 事件処理のために必要となる実費費用 例:切手代、交通費など |
預り金 | 事件処理のために今後必要となる見込みの費用で事前に預かる場合に支払う金銭 例:示談金を弁護士を通じて支払う場合 |
弁護士の費用については、法律で一律の基準が設定されていません。
すなわち、弁護士費用は、個々の法律事務所がその基準を定めることになっています。
しかし、ある程度の傾向はあります。
弁護士の報酬基準が自由化される前、弁護士会において、報酬基準が示されておりました。
現在は各法律事務所がそれぞれ設定できますが、この旧基準をそのまま踏襲している法律事務所も多いかと思われます。
そのため、参考として、旧報酬基準をご紹介します。
報酬の種類 | 弁護士報酬の額 |
---|---|
着手金 | 事件の経済的利益の額が300万円以下の場合 8% 300万円を超え3000万円以下の場合 5%+9万円 3000 万円を超え3億円以下の場合 3%+69 万円 3億円を超える場合 2%+369万円 ※着手金の最低額は10万円 |
報酬金 | 事件の経済的利益の額が300万円以下の場合 16% 300万円を超え3000万円以下の場合 10%+18 万円 3000万円を超え3億円以下の場合 6%+138 万円 3 億円を超える場合 4%+738 万円 |
報酬の種類 | 弁護士報酬の額 |
---|---|
着手金 報酬金 |
1に準ずる。ただし、それぞれの額を3分の2に減額することがで きる。 ※示談交渉から調停,示談交渉または調停から訴訟その他の事件を 受任するときの着手金は、1の2分の1 ※着手金の最低額は10万円 |
上表は少々わかりにくいため、具体例に当てはめてみます。
具体例 残業代として500万円を裁判で請求し、300万円を取得できた場合
【着手金の計算】
「300万円を超え3000万円以下の場合」に該当
500万円 ✕ 5% + 9万円 = 34万円
【報酬金の計算】
「300万円以下の場合」に該当
300万円 ✕ 16% = 48万円
以上から、この具体例に関して、旧報酬規程では、着手金は34万円、報酬金は48万円となります。
しかし、弁護士の費用は各法律事務所によって異なります。
また、労働問題を専門とする弁護士の場合、相場よりも低額に設定している可能性もあるので、詳しくは相談時に担当する弁護士にお問い合わせください。
どんな弁護士に相談したらいい?弁護士選びのコツ
労働問題において、弁護士選びはとても重要です。
労働問題でお困りの方は、以下を参考に、弁護士選びをご検討されてください。
良い弁護士の見極め方
良い弁護士を見極めることは簡単です。
それは、実際に法律相談を受けてみることです。
当事務所は、法律相談のレベルは次の4段階であると考えております。
通常、法律相談と聞くと、第2段階のレベルをイメージされると思います。
これは、まず事情を聴取し、専門家として質問に答えるというレベルです。
本来、「法律相談」とはこのようなものかもしれません。
しかし、弊所では第4段階までのサポートを目指し、法律相談を行っています。
このレベルの違いは、実際に相談を受けていただくことで明らかになると思います。
なお、デイライトの顧客満足度は業界トップレベルを自負しています。
最新の顧客満足度の調査結果はこちらから御覧ください。
法律相談は無料がいいの?
労働問題について、法律相談を無料で提供する法律事務所もあるようです。
確かに、無料相談は、経済的な負担がないため、一見するとお得なように思えます。
しかし、無料相談であることを理由に弁護士を選ぶことはお勧めいたしません。
労働問題は、会社・従業員のそれぞれに大きな影響を及ぼしかねない重要な問題です。
そのような極めて重大な問題の解決を無料のみを理由に任せるのは慎重になったほうがよいでしょう。
デイライトでは、労働問題の法律相談、企業のみ初回無料で対応させていただいています。
これは、当事務所の労働事件チームが会社側に注力しているためです。
労働問題に強い弁護士の探し方
普段の生活ではなかなか弁護士と接点を持つ機会が少ないため、いざ弁護士を探そうにもどうしたらいいのかわからないという方は少なくありません。
そういった場合は、以下のような方法で弁護士を探すことができます。
- インターネットで検索
- 知り合いの紹介
- 弁護士会
上記のうち、おすすめはインターネットで検索する方法です。
労働問題に注力した弁護士のホームページであれば、その弁護士の労働問題に関するスタンスや強みもわかると思います。
インターネットで探す場合は、「専門家もどき」に注意してください。
◯◯専門など表記されていても、実際には他の分野も幅広く取り扱っている弁護士がいます。
本当に専門性が高いか見極めるためには、事務所のホームページだけではなく、弁護士紹介のページもごらんください。
その弁護士のページに専門分野や注力分野の記載が確認できれば、専門家もどきではないと考えられます。
また、その法律事務所のホームページに労働問題に関するメディア実績や執筆実績などが掲載されていれば、労働問題に精通している可能性が高いと考えられます。
また、知り合いや弁護士会からの紹介の場合、相談者の方が弁護士を選べないというデメリットがあります。
労働問題に特化している弁護士は、決して多くありません。
したがって、紹介等でそのような弁護士に相談できる可能性はほとんどないと思われます。
もっとも、お住まいの都道府県に、労働専門の弁護士がいない場合も多いと思われます。
専門の弁護士に相談されたいと思った際は、その事務所が他県の案件にも対応しているかどうかをホームページ等で確認すると良いでしょう。
オンライン(LINE、Zoomなど)で遠方からの法律相談に対応できる事務所であれば、お住まいの都道府県に関係なく、弁護士を選ぶことが可能となります。
実際に当事務所は、他県の案件にも対応しております。
当事務所が所在する地域以外からもご依頼を受けており、オンラインでの相談にも柔軟に対応しております。
労働事件を専門に扱う弁護士の多くは、企業側専門と労働者側専門に分かれています。
なぜ明確に分かれるかというと、利益相反の可能性※やその弁護士のスタンスの問題があるからです。
※例えば、A会社の顧問弁護士がその従業員からA会社への労働訴訟などを受任することは利益相反として禁止されています。
そのため、法律相談の予約の際は、その弁護士が会社側なのか、労働者側なのかを確認されるとよいでしょう。
デイライト法律事務所の弁護士に相談するメリット
労働問題は弁護士に相談すべきとして、次に、どの弁護士に相談すべきかが重要となります。
そこで、当事務所の弁護士の特徴についてご説明します。
専門特化による高度な専門性
当事務所は、全国屈指の法律事務所であり、大勢の弁護士が所属していますが、一人ひとりの弁護士が「専門特化」することを第1の行動指針としています。
これは、クライアントに対して、最高のリーガルサービスを提供するためです。
そして、労働問題については、労働法令に精通した複数の弁護士が「労働事件チーム」という企業側の専門チームを構築しています。
労働事件チームに所属する弁護士は、労働問題に注力しており、最新の労働法令や裁判例をチーム内で共有するなどして、専門性の向上に努めています。
圧倒的な解決実績によるノウハウの提供
労働事件チームの弁護士は、労働問題に注力することで、圧倒的な解決実績を誇っています。
当事務所の年間の労働事件に関する相談件数は、1200件を超えています(※2023年実績、顧問先の対応件数を含む。)。
労働事件に関する豊富な実績を通して、問題解決のためのノウハウを身につけており、クライアントを強力にサポートしています。
メディア実績等
表彰実績当事務所の労働問題に対する専門的な取り組みは、高く評価されており、外部の専門機関から表彰される実績を誇っています。
また、労働問題に関して多くの書籍を執筆しています。
当事務所の労働関連書籍の執筆実績はこちらをご覧ください。
また、当事務所の労働弁護士は、社労士会、医師会、その他専門機関において、多くの講演実績を有しています。
当事務所の講演実績はこちらをご覧ください。
このような多くの実績は当事務所の労働問題に関する真剣な取り組みを端的に示しています。
迅速な解決
「依頼したけど、弁護士がまったく動いてくれない」「いつまで経っても解決しない」このような相談が寄せられています。
労働問題は、雇用契約を前提として、長期間にわたって形成された労使間のトラブルであるため、企業にとっても、労働者にとっても、多大なストレスをともないます。
また、労働事件は、事実関係や証拠も複雑になる傾向があるため、仮に裁判となると解決まで数年を要することも珍しくありません。
特に、企業側の労働事件は一般的に不利な場合が多くあります。
解雇問題や未払い残業代請求などでは、企業側が敗訴するリスクは高い傾向です。
大きな負担を強いられた末に敗訴となると、担当者の方の苦労は報われません。
敗訴した場合は新聞報道等による社会的な信用の失墜が心配されます。
また従業員の方の士気が低下するなど、悪影響をおよぼす場合があります。
当事務所の労働事件チームは、クライアントの負担を軽減するために、迅速な解決を心がけています。
そのために、なるべく訴訟を避け、まずは示談交渉によって早期解決を目指します。
相手方が不誠実な対応に出るなどして、示談成立の見込みが低い場合は、迅速に訴訟等の法的手続きに移行し、できるだけ早く紛争が解決するように尽力します。
真の問題解決を提案
企業において、労働問題が発生した場合、当該紛争を解決するだけでは根本的な問題解決とはならないことがあります。
例えば、未払い残業代を請求された場合、相手方と示談するのは大切ですが、以下のような課題が残ります。
- 無駄な労働時間を削減する
- 就業規則や賃金規定を見直す
- 雇用契約書を整備する
就業規則等の会社の規定については、法律だけではなく、経営コンサルタントとしての視点も必要となります。
また、問題行動を繰り返す社員やメンタルヘルス不調者への対応では、継続的なサポートが必要となります。
当事務所では、クライアントが抱えた根本的な問題を解決するために、弁護士は「ソリューション・デザイナー」として、顕在化していない問題点を含め、問題解決に導く取り組みをしています。
これらの活動には、法律以外の専門知識が必要となります。
そのために、当事務所の労働事件チームの弁護士には、MBA、税理士、労務調査士などの資格を有する弁護士が所属しています。
企業の場合は顧問契約を締結して、労務管理の改善、コンプライアンスの強化など、継続的なサポートを行う場合も多くあります。
当事務所の顧問契約についてはこちらをご覧ください。
まとめ
以上、労働問題をなぜ弁護士に相談すべきか、弁護士選びのポイント等について詳しく解説しましたがいかがだったでしょうか。
労働問題に精通した弁護士は、労働問題についての専門知識やノウハウをもっているため、的確な見通しや助言を期待することができます。
そのような弁護士を見つけるためのポイントとしては、インターネットでの検索が便利かと思われます。
無料相談などを利用して、まずは試して見られてはいかがでしょうか。
この記事が労働問題に苦しむ方のお役に立てれば幸いです。