職場での悪ノリに注意!パワハラになるかもしれません!
職場で、場を盛り上げる目的でつい悪ノリをしてしまうことはないでしょうか?
本コラムでは、大分地裁の平成25年2月20日判決を題材に、悪ノリがパワハラになってしまった話をしたいと思います。
大分地裁~平成25年2月20日判決~
この事案は、社内研修会において、商品販売目標を達成できなかった美容部員である原告に対して、上司である被告らが、罰ゲームとして、易者姿のコスチューム及びうさぎの耳形のカチューシャを着用させ、許可なく写真撮影をしたというものです。
原告は、意に反したコスチュームの着用を主張しましたが、被告は、コスチューム着用は、レクリエーションや会の盛上げを目的としており、原告は断ろうと思えば断れたし、現に研修会において特段不満を述べていないと主張していました。
これに対し、大分地裁は、
原告がコスチュームの着用を明示的に拒否していないとしても、その場で拒否することは非常に困難であること、場の盛上げという正当な目的があるとしても、もはや社会通念上正当な職務行為であるとはいえず、原告に心理的な負担を過度に負わせる行為であったとして、不法行為の成立を認め、慰謝料20万円及び弁護士費用2万円を認めました。
会社が負う責任
このように、たとえ、場を盛り上げためであっても、度を過ぎるとパワハラになる可能性があります。
この事案で、注意すべきは、原告はその場では、コスチュームの着用を明示的に拒否していなかったことです。
そのような場合であっても、度を超えた場合には、パワハラが認定されてしまい、損害賠償の義務が生じるのです。
そして、従業員同士の悪ノリであっても、会社は使用者責任を負います。本件でも、被告だけでなく、会社も連帯して責任を負わされています。
従業員同士の悪ノリがおきないように、会社の経営者の方は、今一度、従業員に対して、注意喚起を行ってください。
なお、従業員への注意喚起には、弁護士が出張してハラスメントの研修を行うことが有効です。
当事務所では、会社に出張してハラスメントの研修を行うという取組も行っています。ハラスメントの研修に関心がある経営者の方は、ぜひ、当事務所にお問い合せください。