モンスター社員とは?特徴と対処法を弁護士が解説
モンスター社員とは、会社に対して常軌を逸した要求を繰り返したり、会社の内外でさまざまなトラブルや衝突を起こしたりといった問題行動の見られる社員のことです。
モンスター社員を放置すると、ますます問題行動がエスカレートし、周囲の従業員が対応に疲弊するなど、会社への悪影響が拡大するおそれがあります。
したがって、万が一会社にモンスター社員がいるようであれば、放置することなく適切に対処しなければなりません。
その一方で、モンスター社員はかなり厄介な性質を持っており、しかも労働基準法による保護を受けている存在でもあります。
このため、モンスター社員対策は、重要事項であるにもかかわらず、対応のハードルが高いという非常に悩ましい問題といえます。
そこでこの記事では、モンスター社員について、その定義や特徴、適切な対応や対応の際に注意すべきことなどについて、弁護士が解説しています。
モンスター社員への対応は、非常に重要であるにもかかわらず対応が難しいという厄介な問題であり、ポイントを押さえて対応する必要があります。
モンスター社員対応でお悩みであれば、ぜひ最後までお読みください。
目次
モンスター社員とは?
モンスター社員とは、会社に対して常軌を逸した要求を繰り返したり、会社の中でさまざまなトラブルや衝突を起こしたりといった問題行動の見られる社員のことです。
モンスター社員は単なる問題社員の枠に納まらない非常に厄介な存在であり、適切に対応するためには、その特徴などを正しく知っておく必要があります。
そこでまずは、モンスター社員対応の前提としてその実態について詳しくご紹介していきます。
モンスター社員に適切に対応するためには、まず正確な知識がないと始まりませんので、モンスター社員とはいかなる存在であるか、十分理解を深めていただく必要があります。
モンスター社員の定義
上記のような異常とも言うべき問題行動の見られる社員のことを、「モンスター社員」と呼ぶことがあります。
もっとも、この「モンスター社員」という表現は法律上の表現ではなく、日常会話の中で用いられる一般的な表現です。
そのため、「モンスター社員」というのは、厳密に定義されている概念ではありません。
もともと、学校や教育委員会などに対して非常識なクレームを付ける保護者の行動が、まるでモンスターのようだということで「モンスターペアレント」と言われ始めたのを皮切りに、「怪物」とも評すべき特に悪質なクレーマーを、「モンスター〇〇」という形で言い習わすようになりました。
たとえば、悪質なクレーマーを指す「モンスタークレーマー」ないし「モンスターカスタマー」や医療現場における「モンスターペイシェント」といった用例があります。
非常識な従業員を指す「モンスター社員」という表現が登場したのもこの一環であり、あくまで社会生活の中で自然発生的に登場した、慣用的な表現です。
そこで、厳密な定義にこだわるよりはむしろ、言葉のニュアンスの方をつかんでいただける方が、モンスター社員をイメージしやすくなると思います。
モンスター社員と問題社員との違い
モンスター社員と似た概念として、「問題社員」という表現もあります。
双方とも、社内において問題を起こしたり、あるいは本人自身に問題があったりという点で似ている部分はあります。
ただし、モンスター社員は、まるでモンスターが暴れ回るかのような形で要求やトラブルを繰り返すのに対し、問題社員とは、なんらかの問題がある従業員を広く指す言葉となります。
モンスター社員も、社内で問題を起こすという広い意味で捉えれば、問題社員の一種と考えることもできます。
しかし、問題社員はこのような例だけにとどまらず、たとえば遅刻や欠勤が多い、著しく業務の遂行能力が低い、といったような、問題ではあるものの「モンスター」という表現にはそぐわないような社員も含めた表現となります。
つまり、問題行動の見られる社員を「問題社員」といい、このうち、特に行動が粗暴ないし苛烈で「モンスター」と評すべき社員が、「モンスター社員」ということになります。
問題社員についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
モンスター社員の弊害
モンスター社員は、会社にとって非常に迷惑な存在です。
本来、会社は従業員が会社に貢献することを期待して採用しています。
にもかかわらず、モンスター社員はそのような期待に十分応えられないばかりか、むしろ会社に多大な損害を与えることすらあります。
しかもそれに対して会社は給料まで支払っているというのですから、モンスター社員が社内にいることは、会社にとってどれほど大きなマイナスとなっているか計り知れません。
モンスター社員によってもたらされる可能性のある損害としては実にさまざまなものが想定されますが、その一例としては、具体的には次のようなものが考えられます。
- ・同じ給料でもっと生産性の高い従業員を雇えたという機会損失
- ・社外でトラブルを起こし取引を終了されるなどの営業上の損害
- ・社内の雰囲気の悪化や、職場の秩序に与える悪影響
- ・疲弊した従業員が退職した場合の人的損失
- ・対応に当たる人事部社員等の人件費
モンスター社員による弊害は、思いつくものをざっと列挙しただけでも、これだけのものがあります。
このように整理しますと、モンスター社員の行動は会社に無駄なコストの支出を強いるだけでなく、有形無形を問わず様々な不利益をもたらすことがはっきりと見てとれます。
もし社内にモンスター社員がいるようであれば、徹底した対策を講じる必要があるといえるでしょう。
モンスター社員の特徴
モンスター社員は単なる問題社員ではなく、その行動に「モンスター」という表現が当てはまるような特徴があります。
「モンスター社員」には厳密な定義が存在しませんので、その特徴について具体的なイメージを持っておくことは、モンスター社員に対応するに当たって有益です。
ここでは、モンスター社員の特徴について検討してみます。
あくまでよく見られがちな特徴を整理しているにすぎませんので、すべてのモンスター社員が以下のすべての特徴を備えているというわけではありませんし、例外もあり得ます。
しかしモンスター社員に典型的なものをピックアップしていますので、モンスター社員の特徴をつかむ上では、参考にしていただけると思います。
会社や同僚等に対する要求が常識を逸脱している
モンスター社員は、会社や同僚等に対して、常軌を逸した要求をすることがあります。
一口にモンスター社員と言っても、実際には多種多様な特徴があると考えられますが、この要求が非常識に過大という点だけは、モンスター社員に広く共通している特徴といえそうです。
モンスター社員は、たとえば、待遇や職務内容、執務環境などについて、次から次へと過剰な要求を繰り返します。
もちろん、会社で長く勤務していくにあたり、さまざまな要望を持つこと自体は自然ですし、その実現を目指して会社と交渉することが悪いわけではありません。
しかしモンスター社員の場合は、およそ実現の可能性に乏しいことや、膨大なコストを要するようなこと、あるいは自分だけの特別扱いのような、非常識な要求をすることがあります。
また、モンスター社員は、要望を正式に拒否しているにもかかわらず、執拗に食い下がる傾向があります。
このため、モンスター社員対応は長期化しやすく、会社にとって大きな負担となるのです。
会社に対して過度な要求をしつこく繰り返す点は、モンスター社員の大きな特徴といえます。
言動が粗暴で、態度が尊大
モンスター社員は、会社に無茶な要求を繰り返すことに加え、行動や言葉遣いが乱暴である傾向があります。
たとえば、大声を上げたり、机をたたいたりして相手を威圧する、社会人として不適切な乱暴な言葉遣いで話すといった、粗暴なケースが多くみられます。
特に、モンスター社員の要望事項は対応できないとして会社に拒絶されることも多いことから、これに腹を立てていっそう粗暴傾向に拍車がかかるというパターンは典型的です。
要望が常識外れで無茶な上、それを通そうとする手段が乱暴な点が、モンスター社員が「モンスター」と評されるゆえんです。
モンスター社員のこのような態度は、職場環境を悪化させ、相手によってはパワハラにも当たり得るため、見過ごすことのできないものです。
「インテリ型」も存在
モンスター社員は、上記のように荒っぽい言動が目立つ「粗暴型」が多いですが、中には、「インテリ型」ともいえるケースもあります。
インテリ型の場合、粗暴な言動などはあまり目立たない一方、「根拠法令を示せ」といった形で理詰めで迫ってきたり、訴訟などの法的対応を仄めかしたりといった特徴があります。
また、このタイプでは、会話をこっそり録音するなどして証拠を残そうとすることもあるため、言動がおとなしいからと言って油断はできません。
いわゆる揚げ足取りのタイプです。
業務能力が高い場合もある
モンスター社員は会社にとって迷惑な存在ですが、エネルギッシュな側面もあるため、業務能力自体は高いというケースもあります。
たとえば、モンスター社員の中には、営業成績がよかったり、プロジェクトを推し進めていく力が強かったりといったこともあり得ます。
もっとも、会社の業務はひとりで行うものではなく、組織で動いて利益を上げていくものです。
モンスター社員がいくら担当業務で業績を上げていたとしても、その他の面で会社に悪影響を及ぼしているのであれば、大目に見るわけにはいきません。
たとえ能力の高い従業員であっても、問題行動に対しては厳然と対応するのが適切といえます。
性格に難がある
モンスター社員は、精神的に不安定であったり、短気ですぐに激高したり(いわゆる「キレやすい」)といったように、性格に難があることがあります。
むしろ性格に問題があるからこそ、上記のような問題行動につながっているものと思われます。
モンスター社員対応がなかなかスムーズに進まないとしても、それはある意味当然のことであり、簡単に話が付くような相手であれば、モンスター社員と呼ばれることもないでしょう。
モンスター社員対応を行う際は、性格上の傾向を見極めた上で、最適な対応を行う必要があります。
注意されても態度を改めない
モンスター社員は、その言動が不適切であるとして会社から注意を受けても、これを改めようとしないことが非常に多いです。
注意して改善されるのであれば何も問題はなく、注意しても改善されないからこそ、モンスター社員は会社にとってやっかいな存在なのです。
その背景には、強い他責思考の傾向や、自身を客観視する視点の欠如などがあると考えられます。
他責思考とは、トラブルや失敗などに対して、他人に責任があり、自分は悪くないと考える思考のことです。
たしかに、誰にでも多少はそのような発想になることはあるでしょう
自分に責任があると考える自責思考についても、自分を必要以上に追い詰めてしまって気分が落ち込みやすくなることもあると考えられ、無条件で肯定できるわけではありません。
しかし、モンスター社員の場合、他責思考が強いあまり、会社から注意を受けたり改善を求められたりしても、まったく聞く耳を持たず、むしろ会社が不当な要求をしていると捉える傾向があります。
加えて、モンスター社員は、自分を客観的に見るということができていないケースが多いと思われます。
自分を客観視できるのであれば、常識外れの要求を繰り返すことはしませんし、他人を不快にさせるような言動は慎むのが普通だからです。
他責思考が強く、しかも自分を客観視できないとなると、問題行動の改善が期待できないのも無理はありません。
自分の側には何も落ち度はなく正当なことを言っているだけという信念を持っており、そこに粗暴な気質も加わるとなると、「モンスター」のような行動となるのも頷けます。
モンスター社員に対応する際は、このような厄介な性質の持ち主であることを念頭に置いて対応する必要があります。
モンスター社員へのNG対応
まずはモンスター社員のについての理解を深めるため、その特徴をご紹介してきました。
上記の特徴を踏まえると、モンスター社員への対応がいかに難しいものであるかがご理解いただけたかと思います。
モンスター社員は対応を誤ると、事態がどんどん混乱していき、収拾がつかなくなることもあります。
そこで以下では、モンスター社員に対する適切な対応の前に、NGとなる対応を先にご紹介します。
これらの対応は問題をいたずらに悪化させ、モンスター社員の振る舞いをエスカレートさせるおそれがあります。
問題解決のために対応したつもりが、これによってさらなる問題を招いたのでは本末転倒です。
うっかりNG対応をしてしまうことのないように、十分注意してください。
モンスター社員を野放しにする
まずは、モンスター社員を野放しにするのはNG対応の筆頭となります。
モンスター社員の上記のような特徴に鑑みれば、その対応は非常に労力を使うものであり、できれば対応したくないというのが本音のところかもしれません。
しかし、モンスター社員の振る舞いは基本的に自己中心的で理不尽なものであり、これを野放しにしておくと、同僚等の周囲の人間が疲弊したり、職場の秩序がどんどん乱れたりといった大混乱を招くおそれがあります。
モンスター社員の対応を放置したところで、問題が自然に解決することはまずないといってよく、何も手を打たなければ事態は悪化の一途をたどるばかりです。
モンスター社員対応を行うためには、腹をくくって、絶対に問題を解決すると覚悟を決める必要があります。
この記事ではモンスター社員への対応方法や気を付けるべきポイントなどを詳しくご紹介していますので、もし社内にモンスター社員がいるようであれば、野放しにすることなく適切に対応しましょう。
迎合的に対応する
モンスター社員に対して迎合的に対応することも、NG対応となります。
ここでいう迎合的な対応とは、事を荒立てまいとしてモンスター社員の顔色を窺ったり、要望に応えられるかのような期待を持たせたりといったことを指します。
モンスター社員は、食ってかかるような激しい剣幕で迫ってくることもあるため、ついその場を乗り切りたいがために、その場しのぎの対応をしたくなるという事情もあろうかと思います。
しかし、一度モンスター社員の言い分を認めるかのような言動をしてしまうと、その後も相手のペースでズルズルと事が進んでいくことにもなりかねません。
相手が感情的になっているようであれば、それを落ち着けるためになだめるような声かけをすることはあり得ますが、その場合でも、相手の言い分を認めるような言い方にならないよう、細心の注意を払うべきです。
一度認めたものを後に撤回することは、最初から拒否するのと比べてはるかに労力を要します。
そう考えると、安易にモンスター社員の期待に応えられるような態度を見せることがいかに危険であるか、ご想像いただけるのではないでしょうか。
モンスター社員に対して迎合的な対応をすることは、わざわざ問題を悪化させに行くようなものですので、十分に注意する必要があります。
感情的に対応する
迎合的な対応とは逆に、モンスター社員に対して感情的に対応することも、おすすめできない対応です。
モンスター社員は、時に暴言まがいの強い口調で攻撃的に迫ってくることがあります。
こちらも人間ですので、そのような態度に対して思わずイラッとしてしまったとしても、それは仕方のないことではあります。
しかし、モンスター社員につられる形でこちらまで感情的になって応酬してしまうと、さらに相手をヒートアップさせてしまい、火に油の状態になりかねません。
また、売り言葉に買い言葉で不用意なことをうっかり口走ってしまっては、名誉毀損やハラスメントなどといって、会社を攻撃する材料を与えることにもなりかねません。
モンスター社員は、常に会社の落ち度や攻撃する機会を窺っています。
会社の立場を悪くしないためにも、相手の雰囲気に飲まれることなく、常に冷静さを保って対応するという心がけを忘れないようにしましょう。
安易に懲戒解雇する
モンスター社員の行動の多くは、業務命令に背くものであったり、就業規則に定める懲戒事由に該当するものであったりするケースも多いと思います。
そのため、これを好機にモンスター社員を解雇できないかという発想をもたれるかもしれません。
たしかに、従業員が就業規則に定める懲戒解雇事由に該当する場合、程度しだいでは、会社はその従業員を適法に解雇することができます。
しかし、従業員は労働法によって保護されている存在であり、特に解雇については厳しく規制されています。
不当な解雇については、解雇権を濫用したものとして無効となります(労働契約法16条)。
このため、たとえ相手がモンスター社員だとしても、安易に懲戒解雇にしてしまうと、違法な解雇として無効となってしまうおそれがあります。
モンスター社員への対応の中でも、解雇については特に慎重に判断する必要があるといえます。
検討が不十分な場合
モンスター社員の行いが、就業規則において懲戒事由として定められている事項に該当するとしても、懲戒解雇をするためには、十分な検討が必要です。
従業員の行為がそもそも懲戒の事由に当たるのか、当たるとして、解雇以外の手段によることはできないのか、指導や教育によって問題の解消を試みたのかといったことが問われ、これらの検討が十分尽くされていない場合、解雇は無効となるおそれがあります。
適正な手続きを経ない場合
モンスター社員の行いが解雇事由に該当すると判断した場合であっても、適正な手続きを経ずに懲戒解雇するのはNGです。
ここでいう適正な手続きとは、解雇の理由を告知し、弁明の機会を付与することです。
このような手続きは、安直な解雇を抑止し慎重な手続きを課すことで、従業員の雇用を守るために求められているものです。
適正な手続きはこのような趣旨で求められているものですので、モンスター社員の行いがいかに目に余るものだとしても、だからといって手続きを省略していい理由にはなりません。
解雇にあたって適正な手続きを欠いていた場合、たとえ従業員に解雇事由があったとしても、違法なものとして無効となるおそれがあるのです。
たとえモンスター社員に対してであっても、解雇は慎重に行う必要があるといえます。
懲戒解雇についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
懲戒解雇に関する裁判例
以上のように、懲戒解雇は手続きや判断過程に不備があると、無効と判断されることがあります。
そこで、実際に解雇の有効性について判断した裁判例を確認してみましょう。
判例 懲戒解雇が無効となった裁判例
三枝商事事件(東京地判平成23年11月25日)は、配置転換を拒否した従業員を懲戒解雇とした事案で、解雇を回避するための手段が検討されていない点で、「余りに性急かつ拙速な解雇というよりほかな」いとして、解雇を無効としました。この「性急かつ拙速」という言い回しは、解雇手続きのあるべき姿を端的に現しているように思われます。
解雇においては、性急・拙速な処理は許されず、丁寧な検討が必要ということです。
判例 懲戒解雇が認められた裁判例
東京プレス事件(横浜地判昭和57年2月25日)では、プレス工業従業員が6ヶ月の間に24 回の遅刻と14回の欠勤を繰り返し、そのほとんどが事前の届出がなく、上司の注意や警告を受けても態度が改まらなかったという事案です。
この事案では遅刻・欠勤回数の多さもさることながら、上司が注意や警告を繰り返し、挽回の機会を与えているにもかかわらず改まらなかったという点で、懲戒解雇もやむなしと判断されました。
日経ビーピー事件(東京地判平成14年4月22日)も同じく、2ヶ月近くにわたって連続的に欠勤し、度重なる職場復帰命令にも従わなかった事例です。
解雇が「性急かつ拙速」と評された事案で無効となったことからも分かるように、度重なる注意を与えて解雇以外の道を丁寧に模索したような場合では、解雇は有効と判断される可能性が高くなります。
モンスター社員を無理やり辞めさせる
従業員を辞めさせたいときに、自主的な退職を促すことを「退職勧奨」といいます。
解雇のハードルが高いからということで、退職勧奨を検討することもあるかと思いますが、モンスター社員に対して退職勧奨する際は、退職強要にならないように特に注意を払う必要があります。
モンスター社員の特徴としてご紹介したパーソナリティを考慮すると、モンスター社員に自主的な退職を促したとしても、これに応じる見込みはあまり高いとはいえなさそうです。
それよりも、むしろ「退職を強要された」といって会社に対する悪感情をさらに募らせるリスクの方が心配されます。
違法にならないよう、言葉を選んで相当丁寧に対応するのであれば、退職勧奨も直ちに不適切とはいえませんが、細心の注意が必要となります。
退職勧奨についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
モンスター社員への適切な対処法
モンスター社員に対しては、ここまで解説してきたようなNG対応をしないよう注意する必要がありますが、ご紹介したとおり、何も対応せずに野放しにするのもまた、NG対応のひとつです。
つまり、モンスター社員に対しては、以上のようなNG対応を避けつつも、適切な対応をとる必要があるということです。
ここからは、モンスター社員に対してとるべき適切な対応について解説します。
事案によって適切な対応も変わってきますので、あくまで一般論ではありますが、モンスター社員対応に頭を悩ませている企業の方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。
対話を試みる
相手がモンスター社員であっても、ひとまずは対話によって問題が解決できないのかを試みる価値があります。
モンスター社員といっても程度はさまざまであり、本人が何に不満を感じているのかを聞き取ってみると、本人なりの言い分があることもあるでしょう。
そこでもし会社として何か対応できることがあれば、それで問題が解決することもないとはいえません。
モンスター社員への対応は非常にやっかいであるため、話し合いで解決するのであれば、それに越したことはありません。
特別扱いとならないように注意する必要はありますが、頭からモンスター社員と決めつける前に、まずは落としどころを探ってみる価値はあるといえるでしょう。
毅然とした態度で対応する
迎合的に対応するというNG対応の反対で、モンスター社員に対しては毅然とした態度で対応することが適切です。
これは、相手のトーンに合わせて強硬的な態度をとるということではありません。
それでは一歩間違えると、NGである感情的な対応となってしまうおそれがあります。
「毅然とした態度」というのは、感情を抑えて冷静さを保ちつつも、不当な要求に対しては断固として拒否する姿勢を示すことを指します。
このような態度によって、会社が不当な要求を受け入れることは絶対にないことを強く意思表示し、モンスター社員に期待を持たせないようにすることが適切といえます。
非違行為に対しては懲戒処分を行う
モンスター社員の行為が非違行為に該当する場合は、懲戒処分を検討すべきです。
「非違行為」とは、会社の就業規則等の服務規程に違反する不適切な行為です。
モンスター社員に非違行為が見られる場合は、就業規則に非違行為及びこれに対する制裁が規定されていれば、これを根拠として懲戒処分を行うことができます。
懲戒処分としては、最も重い懲戒解雇以外にも、戒告や減給、出勤停止や降格など、従業員の非違の程度に応じていくつかの対応が考えられます。
懲戒処分と非違行為の均衡を欠く場合、すなわち非違の程度に対して過度に重い懲戒処分をした場合、違法となるので注意する必要があります(労働契約法15条)。
特に、懲戒解雇については有効性が厳しく判断されることについては、すでにご紹介したとおりです。
逆に、軽い処分からスタートして、改善が見られない場合に徐々に処分を重くしていくといった対応をしていると、十分な考慮に基づいて懲戒の内容を決定していると判断されやすくなります。
このようなプロセスを経た上での解雇であれば、有効性も認められやすくなると思われますので、懲戒処分の際には、非違行為と懲戒内容とのバランスという視点を意識されるとよいでしょう。
ただし、モンスター社員が行ったのと同じようなことを他の社員が行ってしまった場合には、不合理な差を設けないように注意しなければなりません。モンスター社員だけ処分して、他の社員は一切処分しないということだと、モンスター社員だけを意図的に重く処罰していると評価されてしまいます。
懲戒処分についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
退職勧奨を検討する
モンスター社員への対応として、退職勧奨を検討するのもひとつの手段です。
退職勧奨は、会社から従業員に働きかけて、自主的な退職を促すものです。
退職勧奨では、従業員が自らの意思で退職する点で、会社による一方的な解雇と異なります。
退職勧奨は上手くいった場合、内心は渋々ではあれ、従業員が最終的には納得の上で自らの意思で退職しているため、解雇に比べると問題になりづらいというメリットがあります。
ただし、NG対応でもご紹介したとおり、退職勧奨は一歩間違えると、退職強要と捉えられる懸念があります。
特に、相手がモンスター社員となると、その危険は非常に高くなります。
退職勧奨を行う場合、弁護士の助言なども受けながら、退職強要にあたらないように十分注意して対応する必要があります。
退職勧奨についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
採用時から注意する
従業員は労働基準法によって保護されており、たとえモンスター社員であっても、解雇することは簡単ではありません。
そこで、従業員を雇い入れるにあたって、はじめからモンスター社員となり得るような人物を採用しないことが望ましいといえます。
面接の段階ですべてを見抜くことは難しいかもしれませんが、たとえば過去の困難な出来事へどのように対処したかを質問するなどして、問題解決能力を見ることも不可能ではありません。
また、筆記試験においても、性格検査が含まれるものを利用することで、粘り強さや他者への配慮、他責思考の有無といった、人物性向を判断するための資料を得ることもできます。
このような採用上の工夫によって、モンスター社員のパーソナリティに合致するような人物の採用をある程度回避することも可能となります。
一度雇ってしまうとその後の対応で非常に苦労することになりますので、モンスター社員対策は採用時点からはじまっているという視点も持たれておくとよいでしょう。
被害者がいれば配慮する
モンスター社員対応では、モンスター社員本人だけでなく、その被害者がいれば、そちらへの対応もおざなりにはできません。
モンスター社員の行動傾向を考えると、その周囲の同僚や部下などが、ハラスメントを受けていたり、精神的に疲弊していたりといった被害を受けていることも十分考えられます。
モンスター社員はとにかく強烈ですので、被害者がいる場合、そのダメージはかなりのものと考えられます。
場合によっては、ノイローゼや鬱病といった病気にまで発展することも、十分あり得る話です。
会社は、従業員に対する安全配慮義務を負っています。
社内にモンスター社員がいる場合は、その周辺の従業員のメンタルケアについても怠らないようにしましょう。
内容によっては刑事事件として処理する
モンスター社員の行いが常軌を逸し犯罪行為に該当する場合には、刑事事件として処理することも検討すべきです。
たとえば、他の従業員に対して暴力行為に及んだ場合に暴行罪や傷害罪が成立し得るのはもちろんのこと、会社の備品を破壊すれば器物損壊ですし、脅迫的な言葉を用いた場合には脅迫罪や強要罪といった犯罪が成立する可能性があります。
刑事事件というと話が大きくなりすぎるといった躊躇があるかもしれませんが、モンスター社員の行動が犯罪にまで該当するような場合には、もはや自社対応の範疇を超えていると判断すべきです。
警察などの捜査機関の協力を得ることによって、結果的に解決が早まることができますし、犯罪行為の成立が認められれば、懲戒解雇を行っても有効と判断されやすくなるというメリットもあります。
モンスター社員の行動は時に犯罪に該当する場合もあるということを、頭の片隅に置いておくべきといえるでしょう。
労働問題に強い弁護士に相談する
モンスター社員に適切に対応する上では、労働問題に強い弁護士に相談することが非常に重要です。
たとえば、社外のクレーマーへの対応であれば、いわゆる「出入り禁止」などの強硬的な手段によって排除することも可能です。
しかし、モンスター社員の場合、労働基準法によって一定の権利が保障された存在となります。
このため、簡単に解雇ができず対応が長期化したり、労働者としての権利を侵害したとして法的問題に発展したりといったことが珍しくありません。
モンスター社員対応にはこのようなリスクが潜むことから、労働問題に強い弁護士に対応を相談することが重要となるのです。
労働問題における弁護士選びの重要性については、こちらの記事をご覧ください。
モンスター社員対応の5つのポイント
モンスター社員への対応について、適切な例と不適切な例をご紹介してきました。
以下では、モンスター社員に対応する際のポイントを改めて整理します。
① 非違行為の証拠を確保する
モンスター社員への対応は、野放しにすることができない以上、何らかの対処を講じる必要があります。
当然ながら、その対応は本人にとって不利益な内容のものとなることが想定されます。
このため、そのような不利益な処分を科すことの正当性を裏付けるだけの、非違行為の証拠を確保しておく必要があります。
証拠による裏付けを欠く場合、後に処分が無効となることもありますので、非違行為の証拠を固めることはモンスター社員対策において必須といえます。
非違行為の内容によって証拠の内容も変わりますが、問題行動を記録した報告書のようなものを作成することは推奨できます。
記録を作成する際に注意すべきポイントは、「具体性」と「客観性」です。
たとえば、「部下に対してハラスメント行為を行った」という記録が残っていたとしても、具体性に欠け、実際にどのような行為を行ったのかが明らかではありません。
「他の同僚が見ている中で、およそ2時間にわたって大声で叱責を続けた」といったように、問題行動を具体的に記録することが重要です。
また、非違行為の記録は、客観的であることも重要です。
先ほどの具体性とも関連してきますが、「無断欠勤を多数回にわたって繰り返した」という記録では、多数かどうかは記録者の主観によって左右されるという問題があります。
記録から主観をできるだけ排除するためには、数字を用いた客観的な記載とするほか、誰が見ても同一の内容を読み取れるかという観点から、記録を複数の眼でチェックすることも有効です。
問題社員対応の際に用いる書式については、こちらをご参照ください。
② 複数対応・組織的対応を徹底する
モンスター社員に対応する際は、担当者1名にすべてを委ねるのではなく、複数対応・組織的対応を徹底することが効果的です。
さまざまな立場の従業員が場面ごとに都度個別対応するといった体制では、そのときの担当者によって、言っていることが矛盾していたり食い違っていたりといったことが発生し得ます。
「言っていることが人によって違う」「話が二転三転している」というのは、モンスター社員にとって、格好の攻撃材料となります。
また、モンスター社員は、複数人が集まって結束して行動するということはあまり想定されず、通常は社内で孤立して一人で会社と対立しているというのが一般的な構図です。
そのため、従業員をひとりきりにせず、複数対応・組織的対応することは、頭数の上で優位に立てるだけでなく、組織力を活かして動くことにもつながります。
モンスター社員と具体的に対峙していくに当たっては、人事部門を中心に、適任者を集めた対策チームを立ち上げてもよいでしょう。
③ 対応する従業員のメンタルに注意する
モンスター社員の対応は骨が折れるものであり、人事担当者など特定の従業員に対応責任が集中してしまうと、その従業員のメンタルがやられてしまうことが心配されます。
そのような二次被害を防ぐためには、特定の従業員に対応を任せっきりにするのではなく、上記のように組織として対応に当たることが重要です。
また、産業医や産業カウンセラーとの面談機会を設けるなど、メンタルケアの体制を整備することが望ましいといえます。
④ 懲戒解雇はできるだけ避ける
トラブルメーカーであるモンスター社員に対しては、一刻も早く会社を退職してほしいというのが、会社の本音かもしれません。
ただし、懲戒解雇についてはできるだけ避け、他の手段で対応できないかを検討すべきです。
もちろん、明確に懲戒解雇に相当する事情があるのであれば、懲戒解雇も視野に入れて対応する必要があります。
しかし、会社に対して不満を募らせているモンスター社員にとって、一方的に解雇されたとなると、感情的な部分も含めて、不当解雇として徹底的に争ってくることが想定されます。
従業員は労働基準法によって保護されている立場であるため、解雇の有効性は厳格に判断されますし、仮に有効であるとしても、そのことを裁判で争うこと自体、会社にとってはかなりの負担となるものです。
解雇することが適切かどうかは、さまざまな要素を考慮しながら慎重かつ総合的に判断する必要があるといえるでしょう。
⑤ 労働問題に強い弁護士に相談する
モンスター社員対策では、労働問題に強い弁護士に相談することが非常に有効な手段となります。
モンスター社員に対しては、時に解雇や退職勧奨のように法的に難しい問題をはらむ手段を取らざるを得ないケースがあります。
特にモンスター社員は、裁判によって会社と争うことを厭わなかったり、むしろ積極的に対決することを好んだりといった傾向も見られます。
このような場合に、会社の対応が違法と判断されないためには、法律の専門家による丁寧なサポートが必要です。
また、モンスター社員は、会社を攻撃するために、会社に非がないかを常に意識しています。
モンスター社員対策を焦るあまり、万が一違法な手段を取ってしまうと、会社を攻撃するための材料を与えることになります。
そうなっては相手の思うつぼですので、そうならないよう、法的な落ち度がない万全の態勢で対応に当たる必要があります。
労働問題に強い弁護士であれば、モンスター社員について相談を受けることも多く、対応に当たって押さえておくべきポイントを熟知しています。
違法となり得る線引きを踏まえた上で、 適切な対処法について助言することができますので、会社としても安心してモンスター社員対応を進めることができます。
モンスター社員への対応でお悩みの場合は、ぜひ労働問題に強い弁護士への相談をご検討ください。
労働問題における弁護士選びの重要性については、こちらの記事をご覧ください。
モンスター社員についてのよくあるQ&A
モンスター社員について、特徴や対応方法など、さまざまな角度から解説してきましたので、かなり理解を深めていただけたのではないでしょうか。
ここでさらに、モンスター社員に関してよくあるQ&Aをまとめました。
最後の総仕上げとして、もう一歩踏み込んだ知識を身につけていただければと思います。
モンスター社員を潰す方法はありますか?
モンスター社員に対して、「潰す」という発想をもつべきではありません。
一般的に、従業員を「潰す」方法としては、業務の負荷を高めたり左遷したりといったやり方でプレッシャーを掛けることが考えられます。
しかし、このような方法はそもそも違法である可能性が高く、ましてやモンスター社員を相手にこのような強引な手段を取ると、会社に対する不満を爆発させて事態の大幅な悪化を招く危険がきわめて高いといえます。
裁判によって違法性を争ってくることも十分想定されますので、モンスター社員に対しては強引に潰しにかかるのではなく、いかにスムーズに問題を解消させるかという観点から、この記事でご紹介したような丁寧な対応が必要となります。
モンスター社員は発達障害の可能性がある?
モンスター社員の一部は、発達障害の可能性があることも想定されます。
発達障害とは、脳機能の発達に関する障害であり、中でも、自閉症スペクトラム症(ASD、アスペルガー)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの障害は、モンスター社員の特徴とオーバーラップする部分があります。
たとえば、自閉症スペクトラム症では、他人の気持ちを察するのが難しい、こだわりが強いといった特徴があるとされ、このような特徴のために周囲から理解を得られず他の従業員と衝突を繰り返すといったことにつながる可能性があります。
また、注意欠陥多動性障害では特徴の一つに衝動性があるとされ、これが怒りなどの感情を適切に制御しきれない場合に、周囲の目に「モンスター」と映ってしまうことはあるかと思われます。
発達障害が背景にある場合、問題行動を放置することはできない一方で、障害を有すること自体は本人の責任ではないため、対応はいっそう難しいものとなります。
モンスター社員が発達障害であると疑われる場合、障害を理由とする不当な差別とならないよう、特に慎重に対応する必要があります。
モンスター社員の末路はどうなる?
モンスター社員は、本人が態度を改めない限り、最終的には会社を去ることになるケースが多いと思われます。
この記事でご紹介したとおり、モンスター社員は、単なる問題社員とは一線を画する常識外の存在です。
態度が改善される見込みも高いとはいえないでしょうし、その弊害の大きさを考慮すると、いつまでも会社にとどまり続けることは現実的には難しいのではないでしょうか。
モンスター社員の末路としては、解雇されるか、退職勧奨に応じるか、何らかの形で退職せざるを得なくなると考えられます。
モンスター社員に弱点はある?
モンスター社員の弱点はいくつかあると考えられますが、たとえば、自己中心的で孤立しやすいために、独自の見解で自身の態度を正当化してしまうといった点が挙げられます。
これは言い換えると、「本人は自信満々で正しいことを行っているつもりだが、端から見ると正当性があるようには見えない」ということです。
このため、モンスター社員は裁判で会社と争うことを好む傾向がありますが、実際にふたを開けてみると本人が思っていたような判決にはならないというケースがよくあります。
これはインテリ型のモンスター社員でも同様で、インターネットで調べた程度の生半可な知識で理論武装しているつもりでも、実際には自分に都合がよいような形でしか理解しておらず、裁判所では通用しないということがあります。
このため、会社側は、労働問題に強い弁護士という真のプロフェッショナルの力を借りることによって、有利に対応を進めることが可能となるのです。
女性のモンスター社員の対応で注意することは?
女性モンスター社員であっても、ベースとなる対応は男性と異なりません。
その一方で、女性特有の注意すべきポイントもあります。
モンスター社員が女性である場合、 セクハラを主張されるリスクが男性社員の場合よりも高いと考えられます。
このため、会議室などで2人きりになるようなことは極力避け、常に複数で対応することを心掛けるべきです。
また、女性特有の視点や感覚を取り入れるため、対応に当たるメンバーに女性社員を含めることも効果的です。
精神疾患のモンスター社員にどう対応すればいい?
精神疾患は種類も程度もさまざまですので、具体的な状況に合わせた対応が必要となります。
たとえば、うつ病の場合は意欲の減退が見られるため、会社に対して攻撃的になるというよりは、欠勤が多くなるといったことが想定されます。
このような場合は、病気が快方に向かえばまた職務に復帰できるとも期待できますので、モンスター社員として対応するのではなく、問題が改善するようにサポートするという方向性での検討が適切といえます。
例えば、休職を提案する、病院への受診を促すといったものです。
他方で、精神疾患の中には、幻覚や妄想を伴ったり、正常なコミュニケーションが不可能になったりするような病状の深刻なものも存在します。
このようなケースですと、もはや従業員として会社の業務を処理することは困難と思われますので、解雇を含めた対応を検討すべきでしょう。
まとめ
この記事では、モンスター社員について、その定義や特徴、適切な対応や対応の際に注意すべきことなどについて解説しました。
記事の要点は、次のとおりです。
- モンスター社員とは、会社に対して常軌を逸した要求を繰り返したり、会社の中でさまざまなトラブルや衝突を起こしたりといった問題行動の見られる社員のことであるが、一般的な用語であり厳密な定義はない。
- モンスター社員は会社にさまざまな悪影響を及ぼすため野放しにはできないが、対応を誤るとさらに事態が悪化するおそれもあるため、適切に対応する必要がある。
- モンスター社員に対応する際には注意すべきことが多いが、特に冷静かつ毅然とした態度で臨むことが求められる。
- モンスター社員対応は法的な問題に発展することも多く、労働問題にくわしい弁護士への相談が強く推奨される。
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この記事が、労働問題にお悩みの企業にとってお役に立てれば幸いです。