安全配慮義務とは【弁護士が解説】
安全配慮義務とは
安全配慮義務とは、労働者が就労するにあたり、使用者が労働者の生命や健康を危険から保護するよう配慮すべき義務をいいます。
2007年に制定された労働契約法では、
5条:「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」
との規定を設け、使用者の労働契約上の安全配慮義務について明文化されました。
安全配慮義務の具体的内容
最高裁判例は、安全配慮義務を、使用者が事業遂行に用いる物的施設(設備)および人的組織(設備)の管理を十全に行う義務と把握しています。
しかし、安全配慮義務の内容は一律に定まっているものではありません。「労働者の職種、労務内容、労務提供場所等安全配慮義務が問題となる当該具体的状況等によって異なるべきもの」(最3小判昭和59年4月10日)となり、ケースバイケースの判断となります。
例えば、
①物的施設(設備)の管理を十全に行う義務としては、
・安全装置(例:転落防止用ネット、手すり等)を施す義務
・機械等の整備点検を十分に行う義務
・防犯設備を施す義務
などが考えられます。
②人的組織(設備)の管理を十全に行う義務としては、
・ある事項に関する安全教育を十分に行う義務
・労働者の不安全行為に対する適切な注意・指導を行う義務
・労働者の労働時間(過重労働になっていないか等)を把握する義務
・有資格者や安全監視員を配置する義務
などが考えられます。
このようにケースバイケースの判断にならざるを得ない安全配慮義務の内容の検討にあたっては、労働法令に詳しい専門家の助言が必要になることも多いかと思います。労働問題を多く扱っている当事務所では、個々の状況に応じた適切なアドバイスが可能です。
安全配慮義務の解決事例
デイライトの労働事件チームが解決した安全配慮義務に関する解決事例の一部をご紹介します。
安全配慮義務違反の損害賠償請求で大幅な減額に成功した事例
この事例についてはこちらから御覧ください。
その他の解決事例はこちらから御覧ください。