職場の安全衛生について【弁護士が解説】
職場における安全衛生の管理体制を充実するために、労働安全衛生法は、一定規模の企業に対して、様々な機関の設置を要求しています。
また、メンタルヘルス問題が深刻化する状況を踏まえて、厚生労働省は様々なリーフレット整備して情報提供を行っています。
ここでは、メンタルヘルスに関連する重要な機関やリーフレットをご紹介させていただきます。
安全衛生委員会とは
安全衛生委員会とは、安全委員会と衛生委員会とを統合したものをいいます。
安全委員会
安全委員会とは、一定の業種・規模の事業場において、労働者の危険防止の基本対策と重要事項及び労働災害の原因・再発防止対策を審議する機関をいいます。
衛生委員会
衛生委員会とは、一定規模の事業場において、労働者の健康障害を防止するための基本対策、労働者の健康保持や増進を図るための基本対策、労働災害の原因・再発防止対策を審議する機関をいいます。
産業医とは
産業医とは、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を備えた専門医のことをいいます。
職場において労働者の健康管理等を効果的に行うためには、医学に関する専門的な知識が不可欠なことから、常時50人以上の労働者を使用する事業場においては、事業者は、産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければならないこととなっています。
その他の健康確保のための情報
以下、厚労省が発表しているメンタルヘルス関連のリーフレットを掲載しています。
現在、社会においては、心の健康問題により休業している労働者が増加しており、休業後の職場復帰支援がスムーズに進まないという調査結果が見られています。
そのため、職場復帰支援に関する社会的関心が高まっています。
この手引きは、このような現状に鑑み、労働者の職場復帰支援に関する経験や知見等を踏まえ、円滑な職場復帰を支援するために事業者によって行われることが望ましい事項等について、作成されたものです。
労働安全衛生法により、脳・心臓疾患の発症を予防するため、長時間にわたる労働により疲労の蓄積した労働者に対し、事業者は医師による面接指導を実施することが義務づけられています。
このリーフレットは、医師による面接指導制度の概要、実施の流れ等をわかりやすくまとめたものです。
心筋梗塞などの「心疾患」、脳梗塞などの「脳血管疾患」については、その発症の基礎となる血管病変等が、主に加齢、食生活などの日常生活による諸要因や遺伝等による要因により徐々に増悪して発症するものですが、仕事が原因で発症する場合もあります。
このリーフレットは、脳・心臓疾患の認定基準の概要と、「過労死」がどのようにして労災認定されるかについて、わかりやすく解説したものです。
近年、仕事によるストレスが関係した精神障害についての労災請求が増え、その認定を迅速に行うことが求められています。
このリーフレットは、認定基準の概要について、事業主の方にわかりやすく説明したものです。
事業者は、労働安全衛生法第66条に基づき、労働者に対して、医師による健康診断を実施しなければなりません。
また、労働者は、事業者が行う健康診断を受けなければなりません。
このリーフレットは、健康診断の種類、一般健康診断の項目について紹介したものです。
事業主は、健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者について、就業場所の変更等の適切な措置を講じなければなりません。
このリーフレットは、その手順、参照条文等について紹介したものです。
このリーフレットは、過重労働による健康障害を防止するために、時間外労働の削減、年次有給休暇の取得促進、健康管理体制の整備、健康診断の実施等について、わかりやすく説明したものです。
まとめ
以上、安全衛生体制の整備について、機関や厚労省のリーフレットをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
人事上の問題は会社側に大きなリスクをもたらす可能性があります。
このホームページでご紹介している情報が企業や弁護士の皆さまのお役に立てれば幸甚です。
なお、当事務所は、企業や士業(社労士・税理士)の皆様に対して、初回無料で法律相談を行っています。
法律相談は、当事務所の労働問題に注力する弁護士が対応していますので、専門的な助言を必要とされている場合、ぜひご活用ください。
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